この記事では、大手セレクトショップの販売員だった筆者が、ファッション系福袋の購入がおすすめできない理由を解説しています。
年明けの初売りセールには欠かせない存在である各ショップの福袋。当然、アパレルショップのそれも例年の目玉商品の1つです。
「3万円相当の品物が入って5千円!」「5万円相当の品物が入って1万円!」
など、お得感満載の売り文句と共に、賑わうセール会場をさらに盛り上げます。
「普段は高くて買えないあのショップの洋服が5千円で数点手に入る」「憧れのショップのコーディネートが1万円で揃えられる」
このように、福袋はファッション好きの欲望を絶妙にかき立ててきます。お得感を全面にして、ファッション好きの心理をくすぐってくるのです。
そこに初売りセールによるテンションの上昇で、勢い任せに購入する人も多いことでしょう。ですがその福袋、本当にお得なのでしょうか?
先に結論を述べておくと、福袋はお得でもなければ、まったく買うに値しない粗悪品の詰め合わせです。昨今の福袋は、企業が儲けを出すためだけに作られた、質の悪い洋服たちの詰め合わせに過ぎません。
とはいえ、「販売価格よりも高価な品物たちが入っているんだから、お得じゃないの?」とあなたは思っていませんか?過去に大手セレクトショップで働いていた筆者から言わせてもらうと、決してそうとは言い限らないんです。
詳しくはこの記事内で解説していきますので、興味のある方はご覧ください。
- ファッション系福袋に興味がある
- 次の初売りで福袋の購入を考えている
- 福袋の実態が知りたい

サクッと読める
福袋の相場は?メンズのファッション福袋を例に紹介
価格は5千円・1万円・3万円
ブランド別・ターゲット層別で、ある程度の価格帯に分かれてきます。
- ヤングファッションブランド=5千円
- アダルトファッションブランド=1万円
- ハイファッションブランド=3万円
セレクトショップはアダルトファッションブランドに該当します。

点数は4~5点(メンズの場合)
一般的なアイテム構成は以下の4~5点です。
- アウター
- ニット
- シャツ
- マフラー
- 靴下

人気ショップの福袋は初売りオープンから1時間程度で完売するものもある
筆者が勤めていた大手セレクトショップは当時から全国的にも人気店でした。そのため、新年の初売りセール時はオープンとともに多くのお客さんが押しかけてきていました。
そうなると、当然福袋を瞬く間に完売。レディースはオープン後1時間程度で売り切れになり、メンズも午前中の2~3時間でなくなっていました。
完売後も「福袋が欲しいんですけど・・・」「まだ福袋は買えますか?」といったお客さんも多く、人気ショップの福袋の威力に驚いたことを今でも覚えています。

福袋はお得じゃないの?ファッション福袋のあれこれをネタバレ
中身は福袋専用に作られた安物
昨今の福袋は中身のランダム性がなくなり、すべて中身が同じということも少なくありません。また、1品1品の質は低いです。なぜこのようなことになったかというと、ショップ側が福袋で儲けようとしているからです。
アパレルショップに限らず、会社が儲けようとすると2つの方法が考えられます。
- 販売価格を上げる
- 原価を下げる
①の販売価格は福袋の相場やイメージがあるので、値上げは難しくなります。そうなると②の原価を下げる動きが出てきますよね。
そうなると同じものを大量生産したり、品質を落としたりすることで、簡単に原価を下げようとするのです。
その結果、福袋用の商品が低品質で大量生産され、どの福袋も同じものが入っているという、昨今のような福袋事情ができあがったというわけです。

「○万円相当」の○万円という価格には根拠がない
そもそもショップ側が謳っている価格自体が、ショップを運営している会社が決めたものです。簡単にいうと、そのショップが希望小売価格(定価)を決めています。これは福袋も同じです。
ということは仮に、原価合計3千円の福袋を1万円で販売するとします。その中身の合計価格を5万円相当と言おうが、10万円相当と言おうがショップの自由なわけです。
販売価格と原価は変わらないので、ショップ側の儲けも変わりません。変わるのは、購入するお客さんが「お得だ!」と感じる度合いだけです。
前述した以下2種類の福袋があるとします。
- 5万円相当が入った1万円の福袋
- 10万円相当が入った1万円の福袋
あなたはどちらの福袋がお得だと感じますか?当然誰しもが②だと答えるでしょう。
このように福袋の「○万円相当が入った」という○万円の価格にはなんの根拠もありません。それどころか安物を高価に表現されることで、謎のお得感を感じてしまい購買意欲が湧いてしまうのです。
「安い」と感じる価格設定も企業側に利益が出ている
前述したように原価を抑えて販売される福袋。あなたがどれだけ「安い!」と感じても、ショップ側はしっかりと利益を得ているのです。
商売を営んでいる以上、販売価格よりも原価が安いことは言うまでもありません。ですが、安さが売りの福袋も原価はもっと安いのです。
結局なにが言いたいかというと、あなたが「安い!」と感じれば感じるほど、その福袋は安い原価で作られている安物に過ぎません。最近は明らかな低品質の福袋が増えているので、購入者も気付いてきているようですね。
ファッション福袋がおすすめできない理由
まったくお得ではない
福袋のウリは「安い・お得」です。元は中身がわからず、豪華な有用品を期待することから、新年の幸運や幸福を占う意味もありました。
ですが前項で述べたように昨今の福袋はショップ側の儲けを生むために製造・販売されています。
- 質の悪い安物を製造し
- 同じものを大量生産
- 福袋に詰め込み
- お得感を演出
- 大量に販売し
- 大きく設ける
福袋の仕組みはこれです。結果、購入者はショップ側が高く設定した「○万円相当」という希望小売価格(定価)に騙され、勝手にお得感を感じているだけなのです。
本当はまったくお得でもなく、原価を考えると、妥当どころか高く購入してしまっている可能性だってあります。
アイテム1点ごとの質が極端に低い
いつも利用しているショップの福袋を購入した方は、そのショップのプロパー品(通常販売品)と福袋の中身の商品を比べてみてください。明らかに品質が違うと感じるはずです。
安く売っても儲けるために、さらに安い原価で作られている福袋のアイテム。1点1点の質が極端に低くなるのは、仕方のないことなのかもしれません。

大量生産のため他人と被ってしまう
福袋って大量に並びますよね。それでも割と早く完売します。大勢の人たちが一気に購入するわけです。
そうすると、街中などで同じ服を着ている人、被る人が出てくることは当然のことといえます。毎年福袋を購入している場合は経験があるのではないでしょうか。
しかも被ってしまう人がまったくファッションに関心のないタイプ、要はオシャレではないタイプが多かったりします。これはなぜかというと、そもそも福袋を購入する人がオシャレではない、オシャレになりたい人だからです。
普段は買えないショップでも、福袋であれば安価で数点のアイテムを手に入れることができます。ですが、普段そのショップで買えないようなオシャレに鈍感な人が買っているのです。

福袋で安くコーディネートを揃えたい?福袋に代わるおすすめのサービス
スタイリスト提案のコーディネートがレンタルできる!メンズファッションレンタルサービス『leeap』
福袋を購入してコーディネートを揃えるくらいなら、最近発足したレンタルサービスの利用をおすすめします。このファッションレンタルサービス、なんと月額7,800円と驚きの安さで利用可能なのです。
毎月2コーディネートをスタイリストが提案してくれて、返却時のクリーニングなど不要。楽で便利なサービスですね。
しかも提案してくれるコーディネートはあなた好みのファッションです。最初にたった2つの質問に答えるだけで、ファッションのプロがあなたの好みを選定してくれます。
その他、ファッションに疑問があれば、スタイリストにLINEで相談することも可能。ファッションレンタルといえど、トータル的にファッションの問題を解決してくれるサービスになっています。
このサービスを利用すれば、コーディネートに迷うことも、ファッションを間違える心配もなくなります。センスに自信がないけどオシャレになりたいあなた。ぜひこのお得なメンズファッションレンタルサービス『leeap』を試してみてください。


それでもファッション福袋を買いたい?こんなに人は買ってもOK
そのショップ・ブランドの服の所有数を増やしたい
単純にステータスというか自己満足というか。憧れのショップの”アイテム”が欲しいという理由であれば、購入するのもアリかなと思います。本音はプロパー品を購入してもらいたいですが。
とはいえリアルに予算の問題や、質はいらないなど各々で価値観は変わってきます。なのであらゆる要素を気にせず、福袋が欲しい方は購入してもいいかもしれません。
ただし、筆者はおすすめしません。そこは譲りません。それでもあなたが福袋を購入したいのなら、購入するといいでしょう。
福袋の購入自体に楽しみを感じる
「お正月といえば福袋!」と意気込む方々をたまに見かけます。こういう人からすると、新年の願掛け的な意味合いもあるのでしょう。
そういった気持ち的要素があるのであれば、筆者は否定しません。ファッションとしての福袋は否定しますが、運試しで購入する福袋には賛成です。
ただし、福袋の中身は本記事で解説しているとおりなので、その運試しの結果は・・・

フリマアプリやネットオークションで転売したい
年が明け、福袋の販売が始まると同時に、フリマアプリやネットオークションにも福袋が並びます。転売目的で福袋を購入した人たちが、購入するやいなや転売先に出品するというわけです。
で、この出品した福袋の販売価格や落札価格が、元の売値を上回っていること多数という現実。福袋を欲しい人も、住まいの近くに店舗がないとかの理由で、ネットの転売でしか購入できなかったりするのでしょう。
こういった光景を見ていると、転売目的でなら購入するのもアリかなと思えてきました。出品や配送作業など手間は掛かりますが。
「転売なんてモラル的にダメだ」と思う人もいるかと思います。ただ、福袋を購入する意図の1つとして紹介したまでなので、今のところ筆者はそんなことするつもりはありません。

福袋がおすすめできない理由まとめ|ファッション福袋はお得どころか損でしかない
福袋についてつらつらと書いてきました。結局のところおすすめできない理由はシンプルで、福袋の購入は損でしかないということです。
理由は本記事内で解説したとおり。
- 安く見せているだけで実は安くない
- 低品質
- 人と被りやすい(しかもオシャレじゃない人と)
オシャレになりたいのなら、福袋には手を出さないこと。安さを基準に決めたファッションなんてつまらないもんです。
それならば多少投資をする意味でプロパー品を購入する。もしくはファッションレンタルサービスを利用する方が何倍もマシです。
あなたもファッション好きなら、この気持ちはわかってくれると思っています。
