この記事では、大企業に転職して10ヶ月で退職を決意した筆者の体験談を綴っています。
これまで6回の転職経験がある筆者ですが、今回が3度目の大企業です。
したがって、大企業を退職するのも3回目となります。
しかも今回は、”10ヶ月”と1年未満での退職となりました。
スピード退職(短期離職)です。
ではなぜ、
- 3度目の大企業を退職したのか?
- 10ヶ月で退職する決断をしたのか?
簡潔にまとめていきたいと思います。
- 大企業を退職しようかと悩んでいる
- 大企業を辞める理由を知りたい
- 転職してすぐだが退職したい

サクッと読める
2度も退職しながら通算3度目の大企業に転職した理由

冒頭で3度目の大企業とお伝えしたとおり、過去にも2度大企業に勤めていました。
その2社もいろいろあって退職をしています。
それでも3度目の大企業を転職先に選んだのは、当時の自分にメリットがあると判断したからです。

3度目の大企業も10ヶ月で退職を決意

実は転職が決まったときから、長くいるつもりはありませんでした。
とはいえ、2~3年は勤めようかなと思っていたので、想像していたよりも早く退職することに。

業界が低迷している
これが1番の理由です。
元気のない業界で働くことは、デメリットとリスクがあります。
実は筆者が勤めていた大企業とは、某大手電機メーカーS。
配属はOA機器(コピー機)をメインとしたルート営業の部門でした。
ご存知の方もいるかと思いますが、OA機器(コピー機)業界は価格破壊が起きており、低価格・低粗利のビジネスとなっています。
各社、熾烈な価格競争を行った結果です。
OA機器(コピー機)といえば、オフィスに欠かせないものでありながら、特別な機能は求められません。
これが意味するのは、『安いものが売れる』業界であるということ。
したがって安売りの応酬になってしまい、未だ価格は下落傾向にあります。
にもかかわらず、会社はOA機器部門の拡大を求めてきます。
市場とのギャップも甚だしいです。
結果、社員は消耗していくばかりで、新たなスキルも身につきません。
くわえて、部署全体の状況が厳しくなり、職場の雰囲気が悪化していくのでした。

企業体質が昭和
配属された部門の平均年齢が50歳程度と、これまでになく年齢の高い職場でした。
会社全体でも40~50代が大半を占めており、若手が少なかったのです。
年配者が多いためか、仕事への考え方や働き方が昔から変わっていないことも。
根性論なんて日常茶飯事、柔軟性なんてあったものではありません。
新しいシステムなどの導入も進んでおらず、事務処理は紙媒体が中心。
こんな時代にペーパー文化が根強い会社があるのかと、驚きを隠せませんでした。
企業体質が古いと、合理性を欠く働き方が当たり前の文化になってしまっています。
働く側としては、非常にストレスフルです。
もし、あなたの働いている会社も体質が古いと感じたら、早めに損切りすることをおすすめします。

よって、改善される望みも薄いことになる。
くわえて大企業だとなおさら慣習が根深い。
職場環境は過去最悪
業界が低迷、かつ年配者ばかりいる部門の職場環境は最悪でした。
つねに疲弊感が漂っており、イライラしている人も多かったです。
今でもはっきり覚えているのは、新入社員の男性がベテラン社員に電話を取り次いだときの1シーン。
新入社員「○○さん!AB商事のC様から1番にお電話です!」
ベテラン社員「チッ!今忙しくて出られねえよ!」
新入社員「えっ・・・。(困り顔)」
ありえないですよね。
仮に忙しくても、ほかに言い方はあると思います。
しかも周りも見て見ぬふり。

そのとき思いました。
余裕のない職場は思いやりもなくなり、どんどん雰囲気が悪くなっていくのだと。
先に挙げたシーンはほんの一例で、似たようなことが度々起きていました。
仕事なので緊張感は大事ですが、訳もわからず当たられるのは納得いきません。
不必要なストレスを与えられる職場は、早めに立ち去った方が自分のためです。

具体的なアドバイスもなく、ただ詰めるだけの上司
ルート営業の部門だったので、目標数字がありました。
ノルマみたいなものです。
当然、営業の責務として数字を達成するのが当たり前です。
ですが、先にお伝えしたとおり、業界の低迷で数字を上げるのが年々難しくなっていました。
で、達成していない営業マンは上司に呼ばれるわけですが、ただただ詰められるだけという生産性のない行為が繰り広げられていました。
シンプルに叱責しておわりという感じです。
過去にも営業経験がある筆者ですが、通常こういうときの上司は、数字を上げるためのアドバイスを行うものだと思っていました。
単に詰めるだけというのはいかがなものか・・・
とはいえ、自分の数字をできていないのは当人に落ち度もあるでしょうから、多少怒られるのは仕方ないと思っています。
でも怒るだけでは部下の成長は見込めません。
上司なら、具体的なアドバイスはするべきですよね。
「俺は厳しく叱咤することで数字を作ってきた」
この言葉を聞いたとき、具体的なプランがないんだと確信しました。
そんな上司の元で働いていては、部門どころか自分自身の成長にも繋がらず、時間の無駄だと思ったわけです。

日々が苦痛
- 業界の低迷
- 古い企業体質
- 職場環境の悪化
- 具体的なプランのない上司
このような会社で働いていたら、毎日が楽しくなくなってしまいました。
ちなみに自慢ではありませんが、筆者は成績もよければ、上司に詰められることもありませんでした。
それでもなお、苦痛に感じる職場だったのです。
働く環境は大切です。
つくづく、会社選びは難しいものだと実感しました。

大企業に転職入社10ヶ月で退職を申し出たら

1年未満での退職は短期離職といわれ、イメージが悪いです。
新卒・中途採用いずれも関係なく、周りにとやかく言われることでしょう。
今回も当初の予想どおり、すんなり辞められる話にはなりませんでした。
「ありえない」と言われた
「まだ1年も経っていないのにありえない!」
退職を申し出たときに上司から言われました。
かなり感情的になっていたのを覚えています。
こちらとしては、冷静に淡々と話をするしかありません。
「ありえない」と言われようが、自分で決めたことを曲げる必要もなし。
「僕の気持ちは変わりません。」
こう言って、退職の決意が固いことを伝えました。
退職時期は1年後!?
1ヶ月後に退職したいと言ったものの、人手がいないとのことで引き留めに合いました。
なんと、あと1年は残れと言うのです。

もちろんお断りしました。
残り1~2ヶ月ならまだしも、1年なんてモチベーションが保てませんからね。
会社からしても「辞める」と言っている人間を1年も働かせるなんて、デメリットしかないでしょう。
法的にもなんと拘束力もないわけですから、辞めたいときは辞めるのが正解です。

転職・退職に寛容ではない
終身雇用の考えが根強い大企業では、基本的に途中退職や転職は”悪”とされています。
そのため、短期離職にはより一層風当たりが強くなるわけです。
実際、筆者は1年未満で退職することに対して、あらゆることを言われました。
しかし、現代では転職が当たり前となりつつあり、人材の流動性も高まっています。
つまり、転職を”悪”だと考える人は、世の中についていけていない老害になりつつあるのです。
残念ながら年配者の多い大企業では、いまだに転職や退職に寛容ではありません。
大企業への転職、または大企業を退職したいと考えている人は、このことを知っておいてください。

大企業への転職も業界選びは大切

一般的にホワイトのイメージが強い大企業は、転職先としても人気があります。
あなたも大企業への転職を考えていたりするのではないでしょうか?
1つアドバイスをするなら、業界選びには注意してください。
低迷している業界に入ってしまうといいことがありません。
逆に伸びている業界に入ってしまえば、条件面や働く環境もよくなるはずです。
これは、転職に関する人気の著書『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』にも書かれています。
筆者は伸びている業界に移るべく、32歳で未経験の業種に転職することが決まりました。
大企業ほどの待遇はありませんが、自分のスキルを高めて、この激動の時代を生きていきたいと思います。
話は逸れましたが、この記事の何かがあなたの役に立てば嬉しいです。
